フランス人ウォッチング

フランス人を知ることは、人間が本来持つ「面白さ」を知ることです。

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 パリでの3年間の生活で感じたことは、フランス人という人達が、日本人にとってつくづく面白い人たちだということでした。
 好悪の感情をストレートに表現し、美しいものを愛で、美食を愛し、愛に生きる、この人達の生き方を知ることは、人生の楽しみ方を知ることのような気もします。
 よく言えば「子供の心を持った大人」でもあり、悪く言えば「子供っぽい大人」の彼らをウォッチすることで、人間の本質が見えてきます。ちょっと大げさか(笑)。
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9.あいさつの話

フランスでの大事なエチケットがちょっとした挨拶。今回はそのお話し。(2005.1.7)

 フランスで生活を始めてすぐに感じることの一つが挨拶だ。
 みんなよく挨拶をする。知っている者同士に限らず、エレベーターでたまたま乗り合わせた人同士でも、エレベーターに乗るときには、Bonjour[ボン ジュール]と言うし、降りるときは、Au revoir[オーヴァー](さようなら)  ちょっとでも知っている人だと、Bonne journee! [ボン ジュルネ](よい一日を)と言って降りる。言われた方も、Merci[メルシー](ありがとう)と言う具合である。
 日本人はどちらかというと、知らない者同士だとエレベーターに乗りあっても黙ったままブスッとしているが、これよりはフランスの方がよっぽど雰囲気がいい。挨拶文化という点では、お隣のイギリスよりもフランス人の方が洗練されていると感じる。レストランで食事をするときにウェイターからいわれる Bon appetit[ボナペティ](どうぞ召し上がれ)に当たる英語をイギリス人に聞いても、首をかしげたあげく「ない。」と言っていた。
 それから、英米流の挨拶に慣れている人もとまどうのが、挨拶の後に必ず、monsieur[ムスュー](紳士の場合)、madame[マダム](既婚女性やある程度年配の女性、チャラチャラしてない女性)をつけることである。Bonjour, monsier、Bonjour madameと言うだけで随分と印象が違い、丁寧かつフランスっぽくなる(笑)。男同士でも、特に相手が知らない人ならBonjour, monsieurと言っているようだ。
 店に入るときも、日本人は店の中は公共空間で当然の権利のような顔をして入るが、どうもフランスだと、店というのは店主のプライベートな空間と考えられているようで、店に入る客は必ず店員とアイコンタクトをとって Bonjour と言う。すると、相手もBonjour, monsieur!と言ってニコッとしてくれる。これで中に入る許可をもらったということのようだ。
 日本は「お客様は神様です」という文化があるので、店に入って当然、入ってやるだけ有難く思え、店員は客の奴隷だ、みたいな横柄さがあるが、こっちではそんな文化はないみたいだ。
 店員の方も、入ってくる人がちゃんとそういう社会的プロトコル(儀礼)を守る人間かどうかを見ているようで、相手によって対応も違う。だから、店に入るときは、人の家に入らせてもらっているつもりで、必ず挨拶をした方がいい。もちろん、店から出るときは、何も買わなくても感謝の意味で Merci, au revoir. と言う。
 それから、日本人、特に日本男性にとって苦手というか、上がってしまうものが、顔を近づけてチュッ、チュッとやる例のやつだ(笑)。フランス語でbise[ビズ]と言うらしく、キスに特殊な意味を与える日本文化に染まった日本人男ほど、顔が赤くなってしまう(笑)。
 こっちの人は、道端で知り合いの女性と会ったりとるときや、カフェでさよならをするときに、いとも自然にチュッ、チュッとしているし、女性同士もしている。男同士でしているのは見たことがないので、これは儀礼上存在しないのだろう(笑)。
 始めるのは右からか左からか忘れたが、私の少ない経験の場合女性の方がリードしてくれるのでそれに合わせて右か左かの頬を軽く合わせ軽くチュッと音をたて、次に反対側の頬で同じことを繰り返す。その間、軽く腕や肩に手を置く女性いる。まあ、こればかりは、練習してくれる相手を探して慣れるしかありませんね(笑)。