気になる数字

メディアに現れた気になる数字の備忘録


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 新聞や雑誌のメディアは統計やデータなどの数字であふれています。
 それは、一般的に数字が主観を排除したハードで冷徹な事実と思われているからですが、実際は、人々は数字を自分なりのコンテキスト(文脈)で利用しようとするため、それ自体は客観的であるはずの数字でさえ、主観的な意味合いを持ってしまうこともあります。
 そういうことに注意しながら、わたしがメディアで目にした数字を取り上げていきたいと思います。
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■経済成長率   (2008年04月16日)

79.29年

2009年08月06日

 先日、毎年恒例の、日本人の平均寿命が発表された。
発表はこちら

 これによれば男79.29年、女は86.05年とのことだ。
 これは、厚生労働省が発表している簡易生命表の中の0才児の平均余命を指す。

 この簡易生命表は、平成20年において、戦争が勃発したり、とんでもない疫病が勃発したりして日本の死亡状況が変化するといったことがないと仮定して、各年齢の人が、確率論的に平均してあと何年生きられるかを示すもので、0才から始まり、104才、105才以上までに分けて、男女別に記載されている。
 なので、自分があと何年生きられるかという「期待値」は、該当する年齢の欄を見ればよい。

 ちなみに私は49才なので、男性のその年齢の欄を見ると、32.12年となっていてる。ということは、まあ普通の状況ならこれから32年あまり生きることになる。
 つまり、寿命としては81才となり、いわゆる平均寿命よりは長生きすることになるが、それはこれまで生き延びてきたことのボーナスということだろう。
 女は男より0才で7年弱長いが、49才時点でみても38.28年となっているので、約6年長く生きることになる。

 国際的な平均寿命の比較を見ると、男女合わせた平均では日本が世界第1位で、香港、アイスランド、スイス、オーストラリアと続く。
 ただし、男だけでみると、日本は3位で、1位のアイスランド、2位の香港に続く。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1620.html

 世界的の国々の平均寿命を、一人当たりGDPとの相関で見ると、当然のことながら一人当たりGDPが高くなるほど平均寿命も長くなるという正の相関関係が見られるが、南アフリカのように大きく下振れしている国、つまり一人当たり国民所得はそれなりに高いのに平均寿命が短い国もある。

 南アフリカは、アパルトヘイト廃止後、経済が活性化して全体としては豊かになったが、大きな貧富の格差が続いており、郊外のスラムのように衛生状態の悪いところに住んでいる人もまだまだ多く、また、国内治安がとても悪いので、そういうことも背景にあるのかもしれない。

 地図の分布でみると、北米や西欧は一般的に平均寿命は長く、アフリカやアジアに短い国が多い。

 第二次大戦中は50を下回っていた日本の平均寿命が、戦後、調査のたびごとに平均寿命を着実に伸ばし、世界の頂点に上りつめた。
 特に、平均寿命上位の国々に小国が多い中、人口1億を超える大国でありながら、このように長い平均寿命を有する日本は、ある意味、驚嘆すべきことであり、誇りに思うべきだろう。
 もちろん、そのことによって急速に進む高齢化という大きな課題を背負うことになったのだが、それはみんなの知恵と意志で克服すべきことだ。

 ただ、はっきりしていることは、これからは人口が着実に減少する中で、相対的に高齢者の比率は着実に増えるということだ。
 既に2008年において、人口に占める65才以上の比率が5人に1人(22%)に達しており、それが2025年には30%、2055年には40%になると予想されている。
 もはや高齢者は社会の中で特別扱いされるべき少数者ではないということだ。

 できる限り自分たちの子や孫の世代に負担をかけないようにしながら、自律的に、そして生き生きと生きていけるような社会を目指すべきだし、高齢者やこれから高齢者になる人たち自身がそれを心がけて生きなければならない。
 そのためには健康に注意をし、できる限り自分の力で生きていく努力をしなければならないし、人々が若い頃からそうするように社会全体が誘導していくことが大事だろう。
 そのうえで、どうしても社会の手助けが必要な年齢になったら、何の心配もなく公的サービスを受けられるという安心のある社会にすべきだ。

 そのためには、なんでもかんでも公共に要求するだけではなく、できるだけ自分の力で生きていくという自助の精神が社会の基礎になければ、こんな破綻寸前の日本の財政で高齢者が安心できる社会を築くことなどは夢物語でしかないだろう。