予算からあらゆるムダを徹底的に排除すると息巻く民主党の有力者が、税金から支給される政党交付金を、キャパクラやニューハーフショー・パブで後援者やマスコミほ接待するのに使っていると、毎日新聞がすっぱ抜いた。
この言行不一致に、先の選挙で民主党に投票した人たちは、早くも「裏切られた」という思いを持ち始めている。
9月30日付け毎日新聞によれば、2003年から2007年までの5年間の政治資金収支報告書を調査したところ、こともあろうに、参議院議長(江田五月)、文部科学大臣(川端達夫)、経済産業大臣(直嶋正行)、官房副長官(松野頼久)、議員運営委員長(松本剛明)という、鳩山政権の枢要なポストを占める人たちの、「政治活動」として、このような「恥ずかしい」活動のための経費の一部に税金が充てられていたという。
毎日新聞の報道によれば、江田五月・参院議長の政治資金から支払いが行われた西浅草のキャパクラは、店の女性がワイシャツだけを着た艶めかしい姿でお出迎えをしてくれたり、看護婦のコスプレやチャイナドレス姿でサービスしてくれるという。
江田五月氏の秘書によれば、「後援者との情報交換」のために行ったというが、そんな恥ずかしくて人様に言えないような場所で「交換」しなければならない情報とは、いったいどんな情報なのだろうか。
ぜひ国会に来ていただいて、詳しく聞いてみる必要があるだろう。
注目すべきは、新聞や雑誌とのマスコミ懇談会もあったとのことであり、そのことをマスコミ自ら報道したことは潔いことだった。
「国民の知る権利」を口実に、このような恥ずべき接待を臆面もなく受けていたマスコミとは、具体的にはどの会社なのか、はっきりさせてほしいものだ。
その点で、毎日新聞にはもう一段の突っ込みがほしかったところだ。
ニューハーフショー・パブへの支払いに税金を使った川端・文部科学大臣は、みずからの行いについて、青少年にもわかるように、きちんと説明すべきだろう。
しかし、川端事務所の毎日新聞への回答は、「法に基づいて正確、適切に記載している。それ以上は答えられない。」というものだった。
「ちゃんと書いてあるんだから、文句ないだろ。」とでも言わんばかりのその態度は、川端大臣が東レで労働貴族をやっている頃には許されたかもしれない。
しかし、今は日本の将来を背負う青少年の教育の最高責任者だ。
こんな人に、そのような重責を委ねることにについて、国民としては深い疑念を持たずにはいられない。
このようなスキャンダル報道は、単なる興味本位のものだとして片づけるべきではない。
政治家が有権者から一票を投じてもらう正当性は、口先で「いいことを言う」からではない。
国家の権力を付託され、それを国民に代わって行使する地位を与えられるためには、それに相応しい者であることが求められるからだ。
この記事で報道されているような恥ずべきことに国民の血税を、たとえ一部にせよ、使う者たちが、民主党のマニフェストに書かれてあるような政策を唱える資格があるのだろうか。
最近、筆者は、盗難事件に遭ったため近所の交番に被害届けを出した。
そのとき応対してくれた警察官は、「交番で使う文房具もないので、しょうがないから自分のものを使ってるんですよ。」とこぼしていた。
行政からあらゆるムダを省くと大号令をかけておきながら、自分たちは税金をキャパクラに使っている。
そんなダブル・スタンダードを平然と使い分ける「口先主義者」を、こともあろうに言論の府の長だったり、教育行政の最高責任者などにしてしまったことは、有権者としてはとてもやるせない。
日本でも大きく報道されたが、イギリスの下院で、与野党を問わず多くの議員が住宅手当を不正請求したことが、イギリスでの毎日新聞のようなデイリー・テレグラフ紙によってすっぱ抜かれた。
それに対して、国民は怒り、轟々たる非難を巻き起こし、名誉ある下院議長の辞職につながった。
選挙で一票を投じることはもちろん大事だ。
しかし、日頃から、体制を動かす人たちの不正に対して、怒りの声を上げることも同じように大事だ。
今回の一件は、たとえ額としては「大したことはない」にせよ、その政治姿勢に対する国民の信頼を大きく揺らがせるものだ。
その重要性に着目した毎日新聞がこの問題をすっぱ抜いたことは、朝日、読売が、それぞれ民主党、自民党の政党機関紙のようになりつつある中で、毎日が日本のデイリー・テレグラフを目指しているのかと思わせるものであり、大変心強い。
このような報道を前にして、「騙された」国民は、大きく怒りの声を上げるべきだし、野党・自民党は、その声を国会で代弁すべきだろう。
ただ、気がかりなのは、同じようなことは、与野党を問わず広く行われていて、野党・自民党がそれを国会でとりあげれば「天に唾をする」ことになるために、不問に付してしまうことだろう。
そうなれば、頼みの綱はマスコミだが、マスコミ関係者もご相伴にあずかっている以上、毎日新聞のような「勇気ある例外」は別として、自らのクビを絞めるようなことには身が入らないかもしれない。
一番問題なのは、国民がこういう腐敗に慣れっこになってしまい、政治の質に対する厳しい批判的精神を失ってしまうことだろう。
そして、それが積み重なり、やがて「所詮、政治家なんてそんなもんさ。」という政治アパシーに日本が覆われてしまうことだ。
そういうことにならないためにも、怒るべきことに対しては大いに声を上げ、責任者を追い込む国民であり続けなければならない。
政治家に緊張感を持たせ続けるためには、健全なマスコミと健全な怒りの声を上げ続ける国民の姿勢が不可欠だからだ。
民主5議員団体:クラブ、キャバクラ…政治活動費で飲食
ttp://mainichi.jp/select/seiji/news/20090930k0000m010160000c.html
民主5議員団体:「行きたいという後援者がいて…」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090930k0000m010161000c.html