ルーブル美術館アブダビ支店に見るフランスの文化度
2007年03月07日
アブダビ・ルーブルにフランス国内で轟々たる非難が沸き起こっていることに、周辺の人たちは、唖然としている。
金に細かいフランス人が「納税者に負担をかけるのは反対!」とでも怒っているのかと思ったら、逆らしい。
アラブのあぶら屋にルーブルの名を使わせるだけで、4億ユーロ(600億円くらい)もらえて、最初の1億4千万ユーロは、一ヶ月以内にぽんと支払うという。
さすがにリッチマンは違う。銀座のクラブでご祝儀をばら撒く地上げ屋のように、惚れ惚れとするくらいの気前の良さだ。
で、フランス人が怒っているのは、神聖な文化遺産を銭儲けに使うな、ということらしい。
こちらも、さすがに文化国家、言うことが違うね。でも、そんなこと言ったら、神聖な宗教遺産で銭儲けしている例のローマの中の小さな国、あれはどうなんだ?とか、そもそも今のルーブル自体、一生懸命、文化をネタにビジネスしてんじゃん、という気がするが、まあ、自分のことを棚に上げるのが世界で一番得意なフランス人なので、そこは大目に見よう。
でも、本音は、署名活動を立ち上げた「文化的」フランス人によれば、「重要な文化遺産が、アブダビで、でたらめに、\"非科学的\"に 陳列される」のが我慢ならないのだという。
要は、文化のぶの字も知らないレベルの低い連中に見られると思うだけでムシズが走る、ということだ(笑)。やはり、フランス人というのは、フランクな性格のストレートな国民性で世界一好感が持てる国民だなあ(笑)。
ヨーロッパの「立派」な博物館に行くと、どこも中東やアフリカやアジアの歴史的遺産がごっそり保存されているのに驚く。ギリシアのパルテノン宮殿などは、現地にはガラしか残ってなく、文化的に重要な内部の装飾品は、一切合財、大英博物館にある。これは世界一巨大な盗品倉庫じゃないのか?と思ってしまうのは、私だけか?
どこの博物館もパンフレットには、これらのものは「正当な」手段で入手されたものばかりだと書いてある。戦後のどさくさに紛れて、日本の重要な美術品がごっそり、アメリカによって「正当に」持っていかれた、みたいなものだろう。
また、こうも言う。
「これらの文化遺産は、全人類のためにここで保管してやっているのだ。」と。
要するにもこれらの文化遺産がもともとあったところは文化度が低くて、自分たちが生み出したものすらまともに保存できないレベルの低い奴らだから、「文化」度の高い俺たちが代わりに保存してやっているのだ、ということだろう。
でも、知っていると思うが、日本からごっそり持ち出された美術品がニューヨークのメトロポリタン美術館で陳列すらされず死蔵されていて、おそろしく劣化したり失われつつあり、いまや、日本人の修復士が重要なものだけでもと、頑張っているということらしい。
そんなことなら返せよ、と言いたくなる日本人はいっぱいいるだろう。
アブダビ・ルーブルを巡るフランス人の反応を見るたび、「欧米」と言われる地球の一部に住む人たちの「自己中的理論」に、ただただ呆れる。
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