巧妙にワリを食わされる日本経済の惨め
2008年12月17日
鉄砲の弾が尽きて、銃の先に銃剣を差した・・・。
ゼロ金利と量的緩和を表明した今回のアメリカ連銀の対応を表現した英エコノミスト誌の表現だ。
もちろん、この場合の鉄砲の弾とは金利政策のことで、銃剣とは、量的緩和策、とりわけ債券の買取りを指すのだろう。
もっともゼロ金利政策といっても、米市場は既にゼロ金利状態になってしまっていたので、今回の発表自体は「空砲」だったのかもしれない。
いずれにしても、一気にあらゆる手段を総動員して戦うという、連銀の気迫は伝わる。
これと呼応するように、次期オバマ政権の経済チームも、かなり思い切った財政出動策の検討を既に始めているようだ。
何をやってもダラダラとtoo little too lateと言われ続けた日本の対応とは一線を画そうというところなのだろう。
これに対して日本はどうか。
金利政策が動ける余地は既になく、公債残高も既にGDPの160%を超えるレベルに達している中で、思い切った財政出動をすれば、かなり長い将来にわたってツケを残すことになるだろう。
となると、金融・財政の緩和策を次々に打ち出すことで実質的に通貨を切り下げる各国との関係では、相対的に円は切り上がっていくことになるはずだ。
そうなると、通貨が相対的に高くなった国は輸出で苦戦することになるわけで、つまり、通貨切り下げによって不況を「輸出」する競争が始まると、日本は一人負けするということになるのだろう。
こんなニュースを読むと、大恐慌のときに、各国の通貨切り下げ競争が行われ、それでも足りなくなると保護関税のかけ合いで、世界不況のスパイラルに落ち込み、やがては大戦へと進んでいった歴史を思い出してしまうのは、もちろん考えすぎだろう。
今は、当時とは比べものにならないくらい金融の国際協調の枠組みがしっかりしているし、WTOも、あまりあてにならないが、とりあえずはある。
なので、いきなり大戦になるという心配はないだろうが、当時と同じように結局は日本がワリを食うという構図は同じかもしれない。
これまで、バブル崩壊後の不況で苦しむ日本のゼロ金利政策で安く調達した円をしこたま調達して自国に持ち込み、バブル景気に沸いた各国が、今度は、総がかりで日本に不況を逆輸入させようという構図に思えて仕方ないのは、被害妄想だと信じたい(笑)。
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| ■米連邦準備制度理事会がゼロ金利と量的緩和策を発表 |
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